日本行動科学学会 編 磯 博行 著 人の体への1日の水の出入りは、成人と幼児ではその量に違いがあるが、普通に生活しているとほぼ均衡し、どちらも2500mlと一定である。水収入のかなりの部分は飲食物として摂取され、成人では1日当たり2リットル程度である。 A5判・68ページ 定価630[本体600円+税] ISBN 978-4-86108-041-8 C3011 ¥600E 2007. 9. 20 第1版 第1刷 |
もくじ
第1章 生体と水の生理学 5
第1節 水の出納 5
第2節 水のホメオスタシス、脳内メカニズム、動機づけ 6
1) 水のホメオスタシス 6
2) アルギニン・バソプレッシン(AVP)の抗利尿作用と
その脳内メカニズム 8
3) 渇きの中枢はあるのか? 10
4) 水を飲む行動のコントロール 10
5) 出血など緊急事態における水分調節 12
第2章 酒 14
第1節 人はなぜ酒を飲むのか? 14
第2節 アルコール飲料の歴史 16
第3節 日本人の酒類の消費の実態 17
第4節 飲酒行動の個人差を巡って 20
1) 日本人の飲酒行動と遺伝的要因 20
2) アルコールの急性効果:吸収と代謝のしくみ 21
3) アルコールの代謝 25
4) アセトアルデヒドの代謝 26
5) アルコールに強い人と弱い人 26
6) 日本人の飲酒は世界一 28
7) 若い人たちの飲酒行動 30
8) 女性の飲酒 32
第5節 アルコールと病気 33
a) アルコール依存症 33
b) 肝臓病 34
c) 糖尿病 36
d) 通風 36
e) ガン 36
第6節 お酒の効用 37
a) お酒の健康への恩恵 37
b) ストレスとアルコール 38
c) まとめ 41
第3章 清涼飲料 43
第1節 清涼飲料の消費量 43
第2節 ミネラルウオーター 45
第3節 ペットボトル症候群 50
第4章 ドリンク剤 54
第1節 ドリンク剤とは 54
第2節 ドリンク剤の疲労回復効果についての動物実験 55
第5章 機能性飲料 59
第1節 スポーツ飲料 59
第2節 健康食品と保健機能食品 60
参考文献 63
あとがき 64
あとがき
若い人たちは知らないと思うが、本学会の母体となった異常行動研究会は、今では学長や名誉教授になっておられる基礎と臨床関係の心理学者が集まって0
年以上も前に結成された学術団体であり、行動科学ハンドブックを始めユニークな図書を多く出版してきた。十数年前に名称を日本行動科学学会に改めた後も学会活動は活発に行われてきたが、図書の出版とは疎縁になっていた。
ところが、3年ほど前の日本行動科学学会ウインターカンファレンスで、往年を知る会員から「昔のようにやりましょうよ」と、学会からの新しい図書出版の話が出た。しかし、若い人たちの活字離れ、ネットや携帯などからの情報所得、分厚い総合書を出版するとなると資金面や編集作業の困難など、出版に至るまでの様々な障害が予想された。磯が出版委員長、今田純雄氏が副委員長
に任命され計画を練っている時、今田氏が「ブックレット」というアイデアを提案した。つまり、学会の会員がそれぞれの専門分野の最新の情報を、数十ページにまとめ、順次出版する。毎年数冊ずつ出版してそれらを合冊してゆけば、10
年もすればりっぱな心理学の総合書となる、という考えである。
このアイデアを二瓶社の吉田社長に話したところ、「それはおもしろい」と賛同して下さり、今回のブックレットの出版に至った。まずは、前会長の岡市先生、今田先生そして磯の3名が、それぞれの専門とする興味ある話を書いた。また、出版委員の間では次年度の出版に向けて人選が進んでいる。このような作業を、順次若い会員へとリレーして行きたいと思う。後日、「行動科学学会は面白いことをやる学会だなあ」と評価していただければ幸いである。
磯 博行