あゝ月の法善寺横町

    
小島三千雄 著

B6判・176ページ 定価[本体1,200円+税]
ISBN 4-931199-91-7 C0076 \1200E
2002. 8. 10  第1版 第1刷

目 次

1、オブさん 3
 オブさん 5
 『望郷岬唄』 8
 大混乱 14
 お疲れ様でした 19
 「歌手生活四十周年を迎えて」 23
 デビュー 25
 『恋は嘘でなかった』 32
 『初めて来た港』 35
 初めてのワンマンショー 37
 そして『さよなら港』の発売 38
 『お月さん今晩は』 43
 レコード会社倒産 46
 『月の法善寺横町』 49
 大逆転 51
 世代交替 54
2、二人三脚 57
 三十周年リサイタル 67
 ロングリサイタル 70
3、旅 75
 名古屋 78
 福岡 78
 アメリカ 80
 佐世保 82
 東京駅 84
 鹿児島 84
 大分 85
 函館 86
 また名古屋 87
 T市 88
 神戸 88
 千歳駅 89
4、人 91
 自分でやる 92
 Kさん 94
 趣味 100
 読書 104
 カンペ 106
 失言 109
5、歌 111
 よい歌 112
 本分 114
 新曲への意欲 117
 六十年『帰って来たぜ』 118
 六十三年『ええやんか』 119
 ……そして悩み 120
 四十周年記念パーティーとリサイタル 122
 『思い川』 126
 『大阪みれん』 128
 “法善寺”ばかりに片寄ってしまう 131
 千四、五百曲のレコーディング 133
6、ファン 137
7、挽歌 145
 平成六年一月 149
 変調 150
 法善寺に行くと先生に逢える 154
あとがき 161

あとがき 

 先生が亡くなり、もう八年が経ちました。あの時、東京に残るか、田舎に帰るか、相当迷いました。仕事をお世話してくださる方があったり、「帰ってどうするの」と忠告してくださる方があったり、多くの方から言葉では尽くせぬほどのご厚情を頂戴しました。が、皆さんのお心遣いを振り切るように帰ってきてしました。どちらが良かったのか。
 確かなことは、静かな田舎の生活で心惑わされることなく、先生と一対一で向き合えたということです。それがつまり、この原稿を書くことでした。帰った田舎にはそれが許される環境がありました。
 先生は硬派の根を持つ、典型的な昭和ひとケタ世代の人でした。以前「本を出しましょう」と言ったことがあります。答えは「いやだヨ」でした。本を出すことが先生には浮ついたことのようにおもえたのかもしれません。
 タレントさんは光、マネージャーは影、その影が原稿用紙を話し相手の代わりに慣れないボールペンを走らせました。書いていると先生と一緒にいるような気がしました。充たされた時間を過ごすことができました。田舎ではそれができました。
 出版するのなら在阪の出版社からと思っていました。その念願がかなうことになりました。これも先生のつながりの中で進んだ話でした。
 この本は、多くの方々のおかげで出来上がりました。本の中でふれた方はもちろん、直接間接にたくさんの方のお世話になりました。あらためてお礼申し上げます。
 最後になりましたが、出版のチャンスを与えてくださった二瓶社の吉田三郎氏に感謝申し上げます。


著者紹介
小島三千雄 こじま みちお
昭和二十六年、佐賀県有田市に生まれる。昭和四十五年、十九歳のときに藤島桓夫事務所に入り、はじめ付き人として、のちにマネージャーとして、平成六年の事務所閉鎖まで勤める。現在、郷里で衣料品店を経営。

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