W・ラリー・ウィリアムズ 著 野呂文行 訳 A5判・64ページ 定価[本体1000円+税] ISBN 4-931199-88-7 C3011 \1000E 2002. 5. 25 第1版 第1刷 |
目 次
はじめに 5
1 精神遅滞と発達障害の定義 6
2 精神遅滞と社会:知的能力に制限のある人々の概念の歴史 9
初期の施設処遇 11
知能のアセスメントと適応行動 12
脱施設化とインテグレーション 14
3 発達障害の人の教育 17
4 発達障害に関わる臨床上の問題 19
全人的アセスメント 22
精神遅滞と関連している診断 26
発生期に原因のある症候群 26
広汎性発達障害と関連障害 27
自閉症と関連障害 27
自閉症 27
レット障害 28
小児期崩壊性障害 29
アスペルガー症候群 29
5 発達障害の生物学的・医学的原因 30
出産前の原因 30
発生期の原因 30
妊娠時と周産期における原因 31
新生児期の原因 32
生理学的−環境的原因 32
発達的−環境的原因 33
二重診断:精神遅滞と精神疾患 33
精神遅滞と発達障害における薬物療法 35
行動障害に関する環境的・機能的分析 37
6 専門サービスとスタッフの問題 39
学際的なサービスチーム 39
サービスとその成果に関する説明責任 40
スタッフ訓練とスーパービジョン 41
7 21世紀における課題 43
統合教育・権利・対象者中心のサービス 43
管理保健医療・老化・発達障害 45
おわりに 50
付表A 51
付表B 52
付表C 53
付表D 57
引用文献 58
はじめに
本書は、精神遅滞と発達障害に関連する領域について、その現状と課題を示した入門書である。精神遅滞の定義、原因、処遇、サービスの現状、およびいくつかの課題について解説した。それに加えて、精神遅滞と発達障害の人をどう捉えるかといった思想的問題の発展と、その結果として生み出された現在の研究方法を紹介するために、これまでの歴史的変遷も短く紹介している。精神遅滞と発達障害に関する数多くの領域についてその情報を詳細に説明することは、紙面の都合上意図していない。むしろ本書は、精神遅滞と発達障害に関連する領域に足を踏み入れるのに必要とされる適度な量の情報を読者に対して説明し、そしてより詳細な情報を得るための情報源を提供していると考えていただきたい。
著者紹介
W・ラリー・ウィリアムズ W. Larry Williams
1997年にカナダのマニトバ大学で博士号を取得。主専攻は学習心理学、副専攻が行動療法であった。博士は1970年以来現在まで、発達障害をもつ人に関する研究と臨床を続けている。博士は、ブラジルの特殊教育に関する最初の大学院教育プログラムに関して1978年に計画立案を援助し、1980年からはその責任者となり、1984年までそこで教育と研究を行なった。1985年から1991年まで、カナダのオンタリオ州トロントのサリー・プレイス・センター(Surrey
Place Center)にて、家族とコミュニティのための行動的臨床介入サービスの指導者であった。また、1991年から1994年までは、そこで行動的教育・コンサルテーションサービスの指導者となった。現在、博士はネバダ大学レノ校の心理学部の行動分析学コースの助教授であり、発達障害に関する臨床、研究活動、およびコンサルテーション活動を行なっている。
訳者紹介
野呂文行 のろ・ふみゆき 博士(教育学)
筑波大学心身障害学系講師。発達障害児・者に対する応用行動分析学が専門。
著訳書に、以下のものがある。
「自閉症・発達障害者の社会参加をめざして」(分担訳) 二瓶社
「ことばの障害と脳のはたらき」(分担執筆) ミネルヴァ書房