おりこうでない子どもたちのための8つのおはなし 新訂

  
ジャック・プレヴェール 著 エルザ・アンリケ 絵 布施佳宏 訳

映画「天井桟敷の人々」のシナリオライター、シャンソン「枯れ葉」の詩人として有名なジャック・プレヴェールは、童話もたくさん書いている。その代表作の一つ。


A5判・80ページ 定価1,554[本体1,480円+税]
ISBN 4-86108-014-2 C0097 \1480E
2004. 3. 15  新訂版 第1刷

目 次

 ダチョウ
 カモシカたちの生活風景
 不満足なひとこぶラクダ
 ゾウアザラシ
 キリンたちのオペラ
 島にいるウマ
 檻の中の若いライオン
 最初のロバたち

訳者あとがき 

 本書は、詩人ジャック・プレヴェール(1900〜1977)が書いた童話である。日本では、詩集『パロール』の著者、シャンソン『枯葉』の作詞者、それに映画『天井桟敷の人々』のシナリオライターなどとして有名だが、童話をたくさん書いているということは、あまり知られていない。何冊もあるすてきな童話のうちから、1冊だけと言われれば、まずは本書だろう。童話にかぎらず、プレヴェールの作品の本質的な点の一つは、社会的に弱い立場に置かれているいる者たちへの理解の度合いが、並はずれているということである。これは、ややもすれば文学者として当然と思われようが、現実に極めてまれなことなのである。多くの読者に迎えられたゆえんだろう。本書の主人公はすべて動物たちだが、動物でありながら単なる動物でなくて、どの動物もいつかどこかで出会った人間に似ているという気がするのは、訳者だけの感想ではあるまい。すばらしい挿絵を描いている女流画家、エルザ・アンリケは、プレヴェールの友人である。

布施 佳宏




著者紹介
布施 佳宏 ふせ よしひろ
京都外国語大学教授。専門はフランス哲学。


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