心理学実験ノート 第4版

  
心理学実験ノート編纂委員会 編

最も基本的な実験項目、感覚と知覚の実験5課題、人の反応と学習13課題、動物実験5課題の23課題をあげて、基礎的な実験を経験しレポートを仕上げるまで指導できるように構成。


B5判・152ページ 定価1,890円[本体1,800円+税]
ISBN 4-86108-013-4 C3011 \1800E
2004. 4. 1  第4版 第1刷

目 次

S1 実験をはじめる前に
 1.なぜ実験が必要か
 2. 心理統計法
 3. レポートの書き方

S2 感覚と知覚の実験
 4. ミュラーリヤーの錯視
 5. 重量弁別
 6. 触二点閾
 7. 係留効果
 8. ストループ効果

S3 人の反応と学習/ 認知
 9. 行動の観察と分析
 10. 慣れの分析
 11. EDA:うそ発見
 12. 情動変化と指尖容積脈波
 13. 鏡映描写 課題の難易度と練習方法
 14. 鏡映描写 学習の転移
 15. 心的回転
 16. 短期記憶
 17. 系列学習
 18. 概念学習
 19. カテゴリーの認知
 20. SD法:好みの尺度化
 21. バイオフィードバック

S4 動物の行動の分析と学習
 22. マウスのオープンフィールド活動の測定
 23. マウスの受動的回避学習と系統差
 24. マウスのシャトルボックス回避学習
 25. マウスの水迷路学習
 26. ラットのオペラント条件づけ
 27. マウスの行動の分類

付録 (統計の表)
参考文献

編集にあたって 

編集代表 磯 博行
学生諸君に
 心理学を学ぶ醍醐味は、心理学が文科系の科目でありながら、実験実習を経験できるところにある。白衣を着てグループワークを行うと、何やら研究者になった気分になれる。そんな気分になれるだけではなく、教科書に書いてある内容を実際にやって目で見て、なるほどと納得できる。さらにもっと良いことがある。それはグループで実験すると友達がたくさんできることである。心理学実習を通じてたくさんの経験をしてほしい。

諸先生に
 学習心理学の教科書を開くと最初に、学習とは経験を通じて行動が変化することである、という定義が現れる。心理学のみならず大学で学ぶすべての教科にこの定義があてはまる。ところが実際はどうだろう。大学の授業時間表を見ると、大部分が講義である。昔と違って今の学生達は、テレビをつけたら数百チャンネルもの番組が選べるし、インターネットを通じて世界中の情報を選べる。さらに、携帯電話でいつでもどこでも会話が楽しめるし、ゲームの世界にどっぷりと漬かった経験もある。そんな学生たちを相手に講義するとなると、一筋縄ではいかない。授業中に私語が多い、飲食を平気でする。礼儀をわきまえず、腹が立ってしかたがない、と思っている先生がほとんどではなかろうか。それに、折角苦労して教えたことも、期末試験が終わったらすっかり忘れてしまうことが多い。  子供のころからエキサイティングな経験をしてきた学生達に、擬似経験にしかすぎない講義形式はもはや、時代遅れと私は思う。これからの時代は、演習や実習中心に直接経験を通じて学生達を教育することが大切になろう。白衣を着ることで実験者としての心構えができる。グループでの作業を通じて自分の役割を学ぶことができる。まずは態度が大切である。今まで講義で教えてきた内容は、それから始めたら良い。その意味で、この本はノートとした。実験を指導する先生は、考察のところで教科書や参考書を駆使して、しっかりと教授してほしい。


著者紹介
磯 博行 いそ ひろゆき
 編集代表 兵庫医科大学助教授 専門:学習心理学・行動神経科学 基礎から応用まで、心理学・行動科学コンサルタントを目指しています。
中道希容 なかみち きよ
 関西学院大学研究生 専門:学習・思考・判断・認知心理学 人間の判断メカニズムについて研究中 地域社会への貢献についても興味があり、実践中 。
土江伸誉 どえ のぶたか
 関西学院大学研究員 専門:学習心理学 古典的条件づけが決して「古典的」でないことを、教育や医療場面への応用技法を開発することによって証明したい 。
荘厳依子 そうごん よりこ
 関西学院大学博士課程 専門:発達心理学 親子関係に関心があり、親の行動が子どもの行動にどのように影響するか研究中。
上北朋子 うえきた ともこ
 同志社大学博士課程 専門:学習・生理心理学 動物の学習と記憶について研究中。
大森弥子 おおもり やすこ
 
仁愛大学専任講師。専門は生理・社会心理学。対人場面における、まばたきや視線行動について研究中。
藤本 清
 ふじもと きよし
 独立行政法人産業技術総合研究所特別研究員。専門は知覚心理学。見る・聞くのメカニズムを研究中。

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