北海道浅井学園大学生涯学習叢書・4

生涯学習活動とその周辺領域

  
浅井幹夫・藤原 等 監修
北海道浅井学園大学生涯学習研究所 編著
A5判・210ページ 定価2,604円(本体2480円+税)
ISBN 4-86108-012-6 C3037 \2480E
2004. 3. 30  第1版 第1刷

目 次

 序 北海道浅井学園大学生涯学習研究所
第1章 佐世保の赤煉瓦建築をいかしたまちづくり 水野信太郎
第2章 平成13年度の日高・胆振支庁管内各教育委員会主催の「絵画講座」の現況 野崎 嘉男
第3章 地域の活性化を促進する音楽の振興 村井 俊博
  ──利尻富士町・雪蟲コンサートを中心に──
第4章 支笏湖とその周辺での自然を生かした生涯学習計画の調査 藤原 等
第5章 アドベンチャープログラムの教育的効果について 山田 亮
第6章 生涯学習社会で活用するブロードバンド対応ホームページの構築方法 山本 正八
第7章 生涯学習における死の準備教育 中出 佳操
第8章 自分を生かし、他者を活かす社会を求めて 田口 智子
第9章 山菜エタノール抽出物の抗酸化作用 土屋 律子
  監修者紹介
  監修・執筆者等一覧

   カバー装画 阿部 典英
   扉絵 野崎 嘉男


はじめに 
本学生涯学習研究所の事業の一つとして、叢書第3巻に引き続き第4巻を刊行することができました。日ごろ本研究所を叱咤激励してくださる地域社会の皆様や読者の皆様にご報告申し上げ心からの感謝を表するところでございます。また本研究所員・研究員並びに本学関係者にこの場を借りてその労苦に敬意を表する次第でございます。
 さて、この第4巻に収められている9本の著述は、その裾野、分野が相当幅広いものになっていますから、「生涯学習活動とその周辺領域」という書名にいたしました。本叢書第3巻「生涯学習活動の探究−健康・運動と教育編−」に収められている著述と合わせて考えますと、もう一度、生涯教育・生涯学習研究の領域あるいは分野について整理して考えておくことが大切だと思われました。
 1970年代の後半、あるいは1980年代から学習者の視点がわが国でも強調されるようになりました。生涯教育の哲学は、古来からわが国の教育の中に存在していましたが、ことさら取り立てて生涯教育という概念で括ることはしなかったわけです。今、仮に、生涯教育の哲学が海外から輸入されたものとして考えるとしても、導入時の初期に「生涯教育」として流通しはじめたものを、上記学習者の視点重視政策から、途中から「生涯学習」と呼称変更することを余儀なしとしたのです。もちろん学習者中心の哲学は、いかなる時代の教育においても基本的に重視されなければなりません。しかし、わが国においての「生涯教育」から「生涯学習」への変更そのものが、そのまま2000年代前半のわが国教育の流動化あるいは自信の欠如、教育不信、教育の混乱の原因になったといえば言い過ぎでしょうか。「教育」が「学習」に変わった、たったこれだけのことが現下の教育不安をもたらしているのではないでしょうか。学習者重視思想の脆弱さが問題だからです。
 わが国古来からの教育において、それほど「学習者」不在の教育を、学習をやって来たとでも言われるのでしょうか。ご批判の向きもおありだろうと思われますが、ここで日本生涯教育学会の生涯教育・生涯学習研究体系の整理を引用するので、冒頭でふれましたように本研究所が目指す生涯教育・生涯学習研究の構築のために、あるいは本学大学院、生涯学習学研究科並びに本学生涯学習システム学部が目指す「生涯学習学研究」、「生涯学習システム研究」構築のために大いに参考にしてほしいと考えています。

1.生涯学習研究
1.生涯学習理論、2.生涯学習研究方法論、3.生涯学習史、4.生涯学習内容・方法論、5.生涯発達論
2.生涯学習支援研究
1.生涯学習振興・推進論、2.生涯学習支援システム論、3.生涯学習行政論、4.学習情報論、5.学習相談論、6.生涯学習関連施設論、7.学習機会提供論、8.生涯学習人材論、9.生涯学習評価論、10学習成果活用論、11その他の生涯学習支援研究
3.生涯教育研究
1.生涯教育理論、2.生涯教育領域論、3.家庭教育論、4.学校教育論、5.社会教育論、6.生涯スポーツ・社会体育論、7.企業教育論、8.遠隔教育論・放送教育論・通信教育論、9.生涯各期の教育・学習論、10乳幼児教育・学習論、11青少年教育・学習論、12成人教育・学習論、13高齢者教育・学習論、14女性の生涯教育・学習論、15各国の生涯教育、(編著者挿入:16障害児者の生涯教育・学習論)
4.総合・複合研究
1.総合・複合研究、2.生涯学習社会論、3.マスコミ文化論、4.現代的課題研究
5.実践事例研究
1.実践事例研究

 本叢書第4巻では、広く本研究所所員、所員以外のスポーツ・健康科学を専門にされている人たちに投稿案内をしたところ、多数の応募者を得ることができました。しかしながら本研究所としての政策課題として、スポーツ・健康科学系の専門者の著述を最優先にしながら、それ以外の専門分野の著述で相補しようという編集方針を当初立てていたのですが、スポーツ・健康科学系の投稿者が極めて少数という結果に終わりました。この面では残念ではありましたが今後に期待したいと思います。
 査読の結果、多数の応募著述の中から第1次採択分として11編を監修者が選びました。その後、第2次査読を実施して最終的に9編を掲載することにしました。ところが、上で説明しましたように相当裾野が広い分野の著述を1冊の書として編集することになってしまいました。第1章から第4章までは地域における生涯学習活動の探究に関係したもので、第5章、第6章は生涯学習方法の探究に関係したもので、第7章から第9章は「食」「心」「社会」「人と人との関わり」などの探究に関係したものになりました。それぞれの著述を通して学術の向上と情報発進の面で、いささかでも社会発展のための貢献ができれば嬉しく思います。
 本研究所は、今後、生涯学習研究と生涯学習活動研究の2大領域で研究活動と実践・啓発普及活動を展開してまいりますが、叢書としては、例えば、「健康・運動と教育編」の続刊、「芸術・情報・メディア・博物館学と教育編」、「生涯学習学・政策・生活・経営・地域活性化と教育編」などの続刊も考えておりますので、ご指導ご助言を賜れますようお願い申し上げます。
最後になりましたが、カバー装画は阿部典英所員に、扉絵は野崎嘉男所員にお願いしました。両所員とも特別に忙しかった時期にお引き受けいただき誠にありがとうございました。また、二瓶社の社長吉田三郎氏、同社編集部の駒木雅子氏に大変丁寧に仕事をしていただきました。関係各位の絶大なるご理解とご支援があって本叢書第4巻が成ったということを記し、心からの感謝の意を表します。末尾になりましたが読者諸賢のご指導をいただけたなら無量の光栄に存じます。


     2004年3月
  猫柳の花粉が飛び始めた残雪の野幌原生林、早春の香が漂い始めた文京台にて
  編著者 北海道浅井学園大学生涯学習研究所

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