北海道浅井学園大学生涯学習叢書・3

生涯学習活動の探求

  
浅井幹夫・藤原 等 監修
北海道浅井学園大学生涯学習研究所 編著
A5判・184ページ 定価2,310円(本体2200円+税)
ISBN 4-86108-009-6 C3037 \2200E
2004. 3. 30  第1版 第1刷

目 次

 序 北海道浅井学園大学生涯学習研究所
第1章 サハリン住民のライフスタイルと健康 浅尾 秀樹
第2章 町おこしからみた余暇行政 粥川 道子
第3章 生涯スポーツとしてのソフトテニス 畠山 孝子
  ──高齢ソフトテニス選手の生活史を通しての検討──
第4章 Y大学における学生主体型野外活動の実践 山田 亮
  ──「アウトドアパスーツ」の授業を通して──
第5章 生涯学習へ発展する体育授業について 竹田 唯史
  ──生涯スポーツ(スキー)の技術指導──
第6章 大学施設を利用した健康増進施設経営の可能性 永谷 稔
第7章 体温変動を利用した睡眠改善法の有用性 小田 史郎
第8章 酸素摂取応答から健康度を評価する試み 柚木 孝敬
  ──運動時の酸素摂取動態の解析──
   監修者紹介
   監修・執筆者等一覧

   カバー装画 阿部 典英
   扉絵 野崎 嘉男


はじめに 
 本研究所は、1997年12月に設立されました。正式名称は「北海道女子大学生涯学習研究所」でした。本叢書は、研究所の事業の一つとして企画されたものです。その第1巻が出版されたのは1999年1月のことでした。まだ「北海道女子大学生涯学習叢書」という名称でした。第1巻の書名は「生涯学習社会の課題探究」、研究所員・研究員27名の分担執筆で8章27節、265頁から構成されたものでした。その後、本学に2000年4月から既設の人間福祉学部に加えて生涯学習システム学部が新設され、同時に本学は男女共学になりました。大学名称も北海道浅井学園大学に変更され、本研究所名も本叢書名も変さらになりました。校名変さらに至る経緯の中で北海道女子大学から「女子」の文字を除くとどのような名称になるのか、「新北海道大学」が良いとか、さまざまな検討がなされ、総意により本学を経営する法人名を大学名称とすることにしたなど、昨日の出来事のように思われます。誠に、加速度的な時代の転換のスピードに軌を一にするように、本学の変化のテンポもあがっています。
 その後、北海道浅井学園大学生涯学習叢書第2巻が刊行されたのは2002年3月でした。書名は「生涯学習支援者の養成」、研究所員・研究員18名の分担執筆で18章、173頁から構成されたものでした。
 またこの間、本研究所研究紀要「生涯学習研究と実践」第1号〜第6号、本研究所「ニューズ・レター」第1号〜第5号、本研究所オープンユニバーシティ事業「青少年向け出前講座のご案内」第1版〜第2版なども発行しました。特に、研究紀要「生涯学習研究と実践」では、国内外の地域の生涯学習に関する特集を組み、本研究所所員・研究員以外の研究者・実践者の論文・報告を掲載し、大学における生涯学習・生涯学習活動に関する研究と地域の生涯学習推進者を結ぶ積極的な役割を果たしていること。また、若年者に対する生涯学習の動機づけを目的としたオープンユニバーシティ事業「青少年向け出前講座」も推進し、日本型生涯学習の特徴でもある高齢者学習、成人学習を一歩進めて青少年向けの生涯学習を構築する試みにも取り組んできたとことなど、その成果の一部は目に見えるようになってきています。
 そのような流れの中で、本叢書第3巻「生涯学習活動の探究ー健康・運動と教育編ー」を出版することになりました。本書が刊行される2004年には、本学大学院生涯学習学研究科がスタートすることになりまして、生涯学習システム学部とともに生涯学習学研究が本格的に展開することになります。
 最近日本列島の中で、とりわけ北海道が元気をなくしておりまして、加えて昨年は長雨・台風の被害、地震の被害と低温日照不足からの冷害というトリプルパンチに見舞われ、地域産業や生活、人々の心に大きな爪痕が残りました。行政改革の一つとしての道州制の導入・市町村合併の問題も合わせてもう一度、北海道は、地域の再生を図らなければならない状態にあります。
 地域、北海道の再生とは何か、地域の活性化とは何かを考え、政策を打ち出さなければなりません。もう一度、フロンティアスピリットとは何かということが、生涯学習学研究とも深く関連していると考えています。このようなときに、本学大学院生涯学習学研究科がスタートすることは実に意義深いものがあると考えています。そして、本叢書第3巻の出版が、そういうことと重なることに思いをするとき、何か、これから、本研究所が本学の生涯学習の学部や生涯学習学研究科とともに果たさなければならない使命のようなものがあるのではないかと感じ決意を新たにしています。その熱き思いの結晶の一つでもある、この生涯学習叢書という小さな萌芽を北国の大地に根付く大木に育てていきたいと思っています。
 具体的には、本叢書第3巻は、生涯学習活動を健康学習、運動・スポーツ学習の分野にしぼり、「健康・運動と教育編」として編集しました。本学の前進である北海道女子短期大学には女子体育に関するたぐいまれなノウハウが蓄積されていますし、本学生涯学習システム学部健康プランニング学科・人間福祉学部福祉心理学科保健福祉コースが誕生したこと、本学短期大学部人間総合学科にスポーツ科学系・養護保健系が誕生したことと合わせますと、本学・本学短期大学部に蓄積された膨大な「健康・運動と教育」に関する知が存在していることになります。今般、その一部を本叢書としてまとめることができたという次第です。
 本叢書第3巻では、主として上記健康プランニング学科と人間総合学科スポーツ科学系に所属している健康・運動分野の本研究所員に投稿案内をしたところ、多数の応募者を得ることができました。査読の結果、応募多数者の内、第1次採択分として15編を監修者が選びました。その後、第2次査読を実施して最終的に8編を掲載することにしました。この分野で、学術の向上と情報発進の面で、いささかの貢献ができれば嬉しく思います。
 本研究所は、今後、生涯学習研究と生涯学習活動研究の2大領域で研究活動と実践・啓発普及活動を展開してまいりますが、叢書としては、例えば、「健康・運動と教育編」の続刊、「芸術・情報・メディア・博物館学と教育編」、「生涯学習学・政策・生活・経営・地域活性化と教育編」などの続刊も考えていますので、ご指導、ご助言を賜れますようお願い申し上げます。
 最後になりましたが、カバー装画は阿部典英所員に、扉絵は野崎嘉男所員にお願いしました。感謝を捧げます。また、二瓶社の社長吉田三郎氏、同社編集部の駒木雅子氏に大変お世話になり本叢書第3巻が成ったということも記し、心からの謝意を表わします。

     2004年3月
  残雪の野幌原生林、早春の香、エゾリスが走る文京台にて
  編著者 北海道浅井学園大学生涯学習研究所

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